今回は極小ITXケースを選んでいきます。大型でメンテナンスしやすいATXケースもよいですが、できる限り小型にして場所を取らないPCも魅力的です。
ただ小型だけのケースではなく、2スロット以上のビデオカードが搭載できて、デザインもおしゃれなおすすめケースを紹介します。
前回レビューしたTIXケースJonsPlus i100Proは小型とはいえ24Lと大きいサイズでした。もちろん小型化はできたのですが、今回はサブPCを更に小さいITXケースで作り変えるためにケース選びをしました。


もくじ
小型ITXケースを選ぶ基準
小型ITX用ケースと言っても沢山ありますが今回選んだ基準は
- 20L未満
- 高級感のあるデザイン
- 300mm前後のビデオカード搭載可能
この3点で選んでいきます。

小型ケースの注意点
小型PCを作るときは各パーツの大きさを調べて、ケース内に収まるか確認しないといけません。
- CPUクーラーの高さ
- メモリとクーラーの干渉
- 電源の大きさ
- グラフィックボードの厚さと長さ
- ケースFanの厚さと枚数
- ケーブルマネジメント
スペック上問題なくても、作ってみたらエアフローが確保出来ない事もあるのでパーツのサイズをしっかり調べて購入します。ドライブ増設は最小限にしてM.2のみで作った方がケーブルが少なくて良いです。
またケースファンも薄型の物をえらんだほうが組みやすくなります。

小型ケースの良い点と悪い点
デメリットが多いですが、小型化に勝るものは無いですよね。

デュアルチャンバー方式について
一般的なPCはグラフィックボードをマザーボードに直差しですが、PCIe用ライザーケーブルを使ってマザーボードの裏側に縦置きする方式です。
マザーボードとビデオカードが垂直に配置できるので横幅が薄く高さも低く作れます。また上下のエアフローも確保出来るので、小型のITXケースはほとんどデュアルチャンバーを採用しています。
デメリットとしては高さのある空冷クーラーは搭載できません。水冷クーラーを使って確実に温度を下げるかミドルクラスのCPUを使って高温にならないようにします。

ここからは私が厳選したケースを紹介します。
Geeek G1SE
ユニボディアルミ筐体とスモークアクリルサイドパネル採用のコンパクトMini-ITXケース。
前面にはUSBポート類がなく使いづらい点もありますが、1枚板のアルミを折り曲げて作ったケースはデザインもよく高級感があります。
前面ポートがないので内部配線が少なくなり組みやすさもUPしています。
本体カラーがシルバーとブラックがあり、サイドパネルがアクリルとアルミの2種類で計4種類選べるのもポイント。


アクリルでパーツを光らせるのも、アルミパネルで空気の流れを作るのも対応できます。
GPU側は余裕がありますが、CPU側はスペースが少ないのでSSDの増設やケースFANの高さに注意が必要です。

メーカー | Geeek |
型番 | G1SE |
高さ | 233mm |
横 | 145mm |
奥行 | 330mm |
サイズ(L) | 11.1L |
水冷ラジエーター高さ | 27mm |
水冷ラジエーターサイズ | 240㎜ |
空冷クーラーサイズ | 66mm |
ビデオカードサイズ | 2スロット |
ビデオカード長さ | 325mm |
ビデオカード高さ | 55mm, 2.75スロット分 |
付属ライザーケーブル | 別売 |
ボトムFAN | 120mmx2 |
背面FAN | × |
トップFAN | 120mmx2 (※SFX-L電源使用時、搭載不可) |
ドライブベイ | 2.5×4 |
電源 | SFX/SFX-L |
価格 | 約16,000円 |
色々検討した結果Geeek G1SEに決めました!こちらの記事で紹介しています。

Fractal Design Ear ITX
スタイリッシュなデザインのFractal Designの小型ケース。今回紹介するケースでは1番大きいサイズですが、今回選んだPCケースの中で一番の高級感。
本体カラーは5色でそれぞれの色合いの良さがあります。
デュアルチャンバー方式はではなくグラフィックボード直挿しのみなので、全体的に大きくなるのがデメリット。ただ16Lなので一般的なATXケースの3分の1程度の大きさです。


5色展開の本体は色に合わせた天板も特徴的。上面にガラスがあるとエアフローが心配ですが、空気の流れる隙間が空いているので問題ないです。背面にFANが搭載できるのもEra ITXの特徴。

メーカー | Fractal Design |
型番 | Era ITX |
高さ | 310mm |
横 | 166mm |
奥行 | 325mm |
サイズ(L) | 16.9L |
水冷ラジエーター高さ | |
水冷ラジエーターサイズ | 240mm |
空冷クーラーサイズ | 120mm (3.5inchHDD搭載時70mm) |
ビデオカードサイズ | 2スロット |
ビデオカード長さ | 295mm |
ビデオカード高さ | |
付属ライザーケーブル | 直付けのみ |
ボトムFAN | 140mm×2 (GPU非搭載時) |
トップFAN | 120mm×2 |
背面FAN | 80mm |
ドライブベイ | 2.5×2 3.5×1 |
電源 | SFX/SFX/ATX (最大200㎜) |
価格 | 約17,000円 |
LianLi Q58
LianLi Q58も非常に良いデザインで高級感があります。カラーもブラックとホワイトの2色を展開。
サイドパネルが3㎜厚の強化ガラス2枚とパンチングメタル2枚で入替が可能。CPU側を前面ガラスで反対側をメタルパネルに変更も出来ます。


LED/Fanのハブも内蔵してある光らせる前提で組むにも良い設計です。

ATX電源も搭載できるのでATXからの切り替えにも良いケースです。
本体付属のライザーケーブルがPCIe3.0と4.0の2種類が選択できるようになっています。
1つ残念な点は、写真で見ると大きく見えるので小型さをアピールした写真を掲載してほしいです。

メーカー | LianLi |
型番 | Q58 |
高さ | 250mm |
横 | 170mm |
奥行 | 342mm |
サイズ(L) | 14.5L |
水冷ラジエーター高さ | |
水冷ラジエーターサイズ | 325mm (SSDトレイ無) |
空冷クーラーサイズ | 67mm |
ビデオカードサイズ | 3スロット |
ビデオカード長さ | 320mm |
ビデオカード高さ | |
付属ライザーケーブル | PCIe 3.0/PCIe 4.0 |
ボトムFAN | 120mm x1 |
トップFAN | 120mm x1/140mm x1 |
背面FAN | x |
ドライブベイ | 2.5×4/2.5×4 3.5×1/2.5×2 |
電源 | SFX/SFX-L/ATX (160mmまで) |
価格 | 15,000円~20,000円 |
こちらはPCIe4.0版
ZALMAN M2Mini
古くからあるPCケースメーカーZALMANの小型ケースです。
80mmケースFan1つしか付けられないので高性能なCPUクーラーが必要。100w以上のCPUは厳しいかもしれません。
サイドパネルのスリットから空気をしっかり取り込みつつ上部に空気を排出するように設計されています。
11.5Lと小型な点は良いですがサイドパネルがねじ込み式で安っぽい。



メーカー | ZALMAN |
型番 | M2Mini |
高さ | 235mm |
横 | 150mm |
奥行 | 328mm |
サイズ(L) | 11.5L |
水冷ラジエーター高さ | x |
水冷ラジエーターサイズ | x |
空冷クーラーサイズ | 60mm |
ビデオカードサイズ | 2スロット |
グラフィックボード長さ | 295mm |
グラフィックボード高さ | |
付属ライザーケーブル | PCIe 3.0 |
ボトムFAN | x |
トップFAN | 80mm×1 (付属) |
背面FAN | x |
ドライブベイ | 2.5×2 |
電源 | SFX/SFX-L |
価格 | 約15,000円 |
NZXT H1
今回紹介するケースでは高さが最大。ただ幅と奥行きが180㎜と縦長になるので設置場所で困ることはないです。
デザインも非常に良くてパンチメタルと強化ガラスパネルが高級感ありす。カラーはブラックとホワイトの2色。
サイドパネルがドライバレスで外せるのでメンテナンスもしやすいです。


140㎜の水冷ラジエーターと650wGold認証の電源が付属しているので約5万円の価格は高くないでしょう。
欠点はラジエーターがH1専用なので交換ができない事とケースファンを増設できない所です。

メーカー | NZXT |
型番 | H1 |
高さ | 387.7mm |
横 | 187mm |
奥行 | 187.6mm |
サイズ(L) | 13.6L |
水冷ラジエーター高さ | |
水冷ラジエーターサイズ | 140㎜内臓 |
空冷クーラーサイズ | x |
ビデオカードサイズ | 2スロット |
ビデオカード長さ | 265mmまで(幅145mm)/305mm(幅128mm) |
ビデオカード高さ | |
付属ライザーケーブル | PCIe 3.0 |
ボトムFAN | x |
トップFAN | x |
背面FAN | x |
ドライブベイ | 2.5×2 |
電源 | SFX-L内蔵 |
価格 | 約53,000円 |
LOUQE Ghost S1 MkⅢ
8.2Lとグラフィックボードが付けられる最小クラスのITXケース。Noctuaで専用のクーラーを発売してるほど人気のケース。


左右上下のパネルを外して骨組みだけになるので組み立ては簡単。
小さい代わりにエアフローが犠牲になるので、 Corei9やRyzen9ではなく、 Corei5やRyzen5で65w以下のCPUを使い短いビデオカードで組んだ方が良さそう。
全体がアルミで出来ていて高級感がありますがケースファンが120mm1つしか搭載できません。オプションの「TopHat」を装着すれば水冷クーラー装着可能。

メーカー | LOUQE |
型番 | Ghost S1 |
高さ | 188mm |
横 | 140mm |
奥行 | 322mm |
サイズ(L) | 8.2 L |
水冷ラジエーター高さ | 31.5mm |
水冷ラジエーターサイズ | |
空冷クーラーサイズ | 66mm |
ビデオカードサイズ | 2スロット |
ビデオカード長さ | 305mm |
ビデオカード高さ | 45㎜ |
付属ライザーケーブル | PCIe 4.0 |
ボトムFAN | x |
トップFAN | 120mm×1 |
背面FAN | x |
ドライブベイ | 2.5×3 |
電源 | SFX/SFX-L |
価格 | 44,000円 |
RAIJINTEK OPHION
紹介するケースで最大…といっても15.6Lなのでまだまだ小さいサイズ。横幅と奥行きが大きいですがケース上下に120㎜Fanが装着可能。ドライブも3.5inch対応と他のケースより使いやすくなっています。


水冷クーラーを使う場合はOPHION EVOという兄弟機を選べば可能です。横幅と奥行きはOPHIONと共通で高さ290㎜とOPHIONより45㎜高いサイズになります。

メーカー | RAIJINTEK |
型番 | OPHION |
高さ | 245mm |
横 | 174mm |
奥行 | 375mm |
サイズ(L) | 15.9L |
水冷ラジエーター高さ | |
水冷ラジエーターサイズ | x |
空冷クーラーサイズ | x |
ビデオカードサイズ | 2スロット |
ビデオカード長さ | 330mm |
ビデオカード高さ | 58mm |
付属ライザーケーブル | PCIe 3.0 |
ボトムFAN | 120mmx1 |
トップFAN | 120mmx2 |
背面FAN | x |
ドライブベイ | 2.5×3/3.5×1/2.5×1 |
電源 | ATX |
価格 | 13,000円 |
超小型ITXPCを作る!2スロット以上のビデオカードが入るおすすめケースのまとめ
今回調べたケースを一覧にまとめました。サイズで選ぶかデザインで選ぶか分かりやすいと思います。
私はこの中から1つ購入しようと考えています。候補としてはデザインとエアフローでEra ATXか、小型と
デザインでGeeek G1SEか、サイドパネルとエアフローでQ58で選ぼうと思っています。