今回は11月28日に発売したFINALのVR3000をレビューしていきます。届いたばかりなのでまずは箱出しの音からレビューしていきます。
以前【FINAL A3000レビュー】価格以上の音は体感出来るのか!】ではA3000をレビューしましたが今回はそのA3000の派生機種のVR3000です。
VR3000はA3000より1ヶ月ほど遅れて発売しました。
以前発売したバイノーラル用に作られイヤホンFinal E500は40,000個以上売れて非常に好評でした。
そのE500の後継機種では無いですが同様のコンセプトながらVRやゲーム用に開発したイヤホンそれがVR3000です。
・完全新設計のドライバーf-CORE DU
・カスタマイズしたかの様な装着感
final VR3000のスペック
VR3000・A3000・A4000の違いはスペック上はコネクターと感度くらいです。
A4000 | A3000 | VR3000 | A8000 | |
型番 | FI-A4DPLDN | FI-A3DPLMB |
FI-VR3DPLMB
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FI-A8DSSD |
価格 | 15,800円 | 12,800円 | 7800円 | 198,000円 |
筐体 | ABS樹脂 | ABS樹脂 | ABS樹脂 | ステンレス |
ドライバー | ダイナミック型 | ダイナミック型 | ダイナミック型 |
ダイナミック型(Truly Beryllium diaphragm)
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コネクター | 2Pin | 2Pin | ー | MMCX |
ケーブル | OFCケーブル | OFCケーブル | OFCケーブル |
OFCシルバーコート
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感度 | 100dB/mw | 98dB/mw | 101dB/mw | 102dB/mw |
インピーダンス | 18Ω | 18Ω | 18Ω | 16Ω |
質量 | 18g | 18g | 20g | 41g |
コード長 | 1.2m | 1.2m | 1.2m | 1.2m |
そのくらいの違いなら一番安いVR3000で良いんじゃないか?と思いましたが…
スペック上の違いはほとんど無いですがチューニングによって全く違うイヤホンになります。
トランスペアレントな音ではない?
FINALのHPを見るとA3000とA4000には「トランスペアレントな音」の記載があります。
時間応答の改善につながりトランスペアレントな音に大きく変貌します。音の立ち上がりの鋭さや、消えてゆく音の余韻が明確に感じられ、音と音との間の静けさをも感じられるようになります。
距離が離れたところに定位した音もクリアに聴こえる音の印象を、幅広い音楽で実現しています。
finalのHPより引用
ただVR3000には記載がないんですよね。
VR3000ではトランスペアレントな音ではなく”音響工学によっての空間制作者の意図通りの音色と空間イメージや方向感を感じることのできるイヤホン”と記載があるのでA3000とVR3000では音の響き方が全く違うイヤホンと言う事になります。
実際にその通りでした。
VR3000は価格の割にアクセサリーは充実
①布ケース
②マニュアル
③イヤーフック
④イヤーピース5種類
▽イヤホン部のデザインはAシリーズ一緒でしたがイヤホン本体の質感はA3000の方が上でした。
▽ケーブルは価格の割に安っぽい造りですがケーブルは非常に柔らかく取り回しは良いです。耳に掛けた時に跳ねることもなく耳に沿ってくれます。
▽イヤーピースはEタイプがサイズ別に5種類付属しています。final Eタイプ BLACK シリコン製イヤーピース を購入すると980円するのでかなりお得感があります。
私はMSを着けると口を開いた時に空洞ができる様でMサイズがちょうど良いです。
イヤーピースは人によってちょうど良い大きさが変わるので一通りのサイズを装着して、よく聞く音楽で音の具合を確かめて下さい。
イヤーピースによって音の傾向も変わるので他社のイヤホンを持っている方は試した方が良いですよ。
▽右様が赤色で左用がグレーのイヤーピースを付けると本体の「LR」を見なくても判断しやすくなっています。
▽A3000と違い布ケースでした。VR3000を入れてちょうど良いサイズです。
final VR3000の第一印象
・NW-WM1Aで試聴
A3000はボリューム高めで聴いていましたがボーカルが非常に近く感じて10%くらい下げて聞きました。
「音」の傾向はA3000と一緒の様に感じます。ドライバーユニットは一緒ですからね。
・ボーカルが非常に近くに聴こえてるが空間が非常に狭く感じる。
・中音域の音で高音域や低音域がかき消される印象。
A3000が非常に良かった為ちょっと残念な音質です。
60時間のエージングを実施の結果は?
エージングはHIDIZ AP80で行いました。
普段はエージングを楽しむ方なのですがVR3000は約60時間ほどエージングを実施。
音楽をかけっぱなしにして1日おきに音を確かめました所、少しづつ良くなっている傾向がありました。
最終的には中音域以外の音も聴こえやすくなってきて
・高音域も聴こえやすくなってきた
・低音域も聴こえる様になってきた
A3000と違い、狭い感じは変わりません。
バンド音楽を聴いていては気持ちよく聞こえません。
この時点で「買って失敗したのか?」と思いました。
ゲームやVR用に開発されたイヤホンなので音楽以外の方が合う
とりあえずYouTubeを試聴した所、「声」中心の動画はVR3000は合いました。
一人で話している動画はその一人が近く感じて近くで話している様です。男性でも女性でも同じ傾向で声のみの動画は臨場感を感じます。
division2をプレイしましたがTPSは敵の位置や銃声の位置は分かりやすかったです。後ろから右側へ移動している感覚や、遠くから近くへ人が移動している音が感じられました。
原神を1時間ほどプレイしましたがこちらもキャラの話す声が近く声優の息遣いも聴こえそうです。
ゲーム全てに合うわけでは無いですが声中心にバックミュージックが流れている動画やゲームは合いました。
RPGをプレイしていると声が前に出て戦闘シーンの音楽が少し後ろに聞こえるのでゲームの臨場感が感じられます。
テレビで視聴では音楽番組よりも声中心の物なら聴こえやすく心地よい声の音が近くに感じます。
VR3000はやはり声やゲームに合うイヤホンでした。
マイク性能は普通のイヤホンマイクと同等
イヤホン右側にマイクがついていますがマイク性能は携帯用イヤホンと変わりません。
VRで使うには良いと思いますがPCゲームのボイスチャットとして使うなら別にマイクを用意したほうが相手に聞こえやすいと思いました。
以前レビューした【Razer Seiren Miniレビュー 安くて高音質のUSBマイク!PC以外にPS4やIPADにもドライバレスマイク】と一緒に使うとプレイヤーの声も聞きやすく、こちらの声も相手に聞こえやすかったのでTPSやFPSをプレイする方にはおすすめのマイクです。
final VR3000のまとめ
A3000と同じ様な作りのイヤホンでも合う音が全く違うのはびっくりです。
私はA3000を聴き込んでからVR3000を聴いたおかげで、「音楽」に関してはがっかり感が大きかったですが「声」や「音」を聴くイヤホンとしては非常に良いイヤホンでした。
ただ7,980円のイヤホンとしては優秀な音を出してくれるので他社のイヤホンと比べれば良いイヤホンです。
またA3000と傾向も全く違うので使い分け用のイヤホンとしても十分な性能だと思います。
VR3000に合う物
・ゲームでキャラボイスが出る物
・TPSやFPSのシューティングゲーム
VR3000に合わない物
・空間の広さを感じる多楽器の音楽
・高音域や低音域をしっかり感じられる音楽
PS5のTempest3Dで聴くとさらに効果が有るんでしょうね!
まだPS5を手に入れていないので購入したら使ってみます。
ではまた!