コスパ最強! 価格以上の音を楽しめるイヤホン NiceHCK DB2 レビュー

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今回紹介するイヤホンはNiceHCK DB2。DBシリーズの最新作。約3,500円と安価ながら元気なサウンドを奏でてくれる。コスパ高いイヤホンだ。

安いけど音質良いイヤホンって無いの?デザイン優先で選んで大丈夫?派手な音楽を聴きたいけどどんなイヤホンが良い?って方にお勧めできる万能イヤホンだった。

結果から言うと、キレがあり低域の強めのノリの良い音楽をできるだけ安く、でも安っぽいのはヤダってわがままな要求にも答えてくれた良いイヤホンだった

そんなNiceHCK DB2を良い点悪い点含めてレビューしていく。

NiceHCK DB2レビュー

今回レビューする DB2はNiceHCK様からレビュー依頼があり作成している。忖度なんて1ミリもしないでレビューするぞ!なんて事は言わないけど、感じたことを正直に記載していく。

NiceHCKって何者?

NiceHCKって何なの?知らない会社で買って大丈夫?って方に話すと、10年くらい前から格安イヤホンブームがあり、その当初からイヤホンやケーブルを作り続けている老舗メーカー。ビルドクオリティは年々向上していて、コスパの高いイヤホンやケーブルを作り続けている。長年作り続けても価格を上げることなく製品の品質を上げているので、オーディオマニアにも信頼のあるメーカーなのだ。正直、日本メーカーでは太刀打ちできないレベルの製品を凄い頻度で作り続けている。

私の持っているNiceHCKたち

NiceHCK DBシリーズ

DB2はDB1・DB3の後に出たBDシリーズの3台目に出た真ん中のモデル。

内部的な違いは

  • DB1=ダイナミックドライバー1機DB2=ダイナミックドライバー1機とBA1ドライバー1
  • DB2=ダイナミックドライバー1機とBA1ドライバー1機
  • DB3=ダイナミックドライバー2機とBAドライバー1機

ドライバー数がそのまま型番になっているんですね。

私はDB1・DB3は持ってないけど、NiceHCKのNX7MK4を持っていてデザインは全く一緒で音質もNX7MK4寄りになっている。(らしい)低域強め、高域ちょっと強めの音質で、楽しく躍動感のある音楽を聴くタイプのイヤホンだ。

DB2の付属品と外観

約3,500円という価格からは考えられないデザインと豊富な付属品が付いている。

  • イヤホン本体
  • 7.8mm 2Pinケーブル
  • イヤーピースSML色違いで 2組
  • イヤホンケース
  • マニュアル類

本体の作りの良さ

イヤホン本体はNX7MK4と同じシェルを使っているらしく、違いは感じられない。透明なシェルにブルーのクラデーション。側面には金属(っぽい)プレート。私のはブルー。

プレート側部には“DB2 R L”と書いてあって左右がわかりやすいようになっていた。高級感のあるデザインも良い。

透明なシェルの中にはダイナミックドライバーが透けていてかっこいい。

ノズルはほんの少し太めで6mm。イヤピは着けにくいが着けてしまえば外れることはない。

NX7MK4はノズル部を外して音質変更できたがDB2はその機能はなし。

ケーブルは無酸素銅OFCタイプ。細くて取り回しは良い。

プラグは3.5mmでL字タイプ。持ち歩きに設計されているものはプラグを痛めないためにL字が良い。

柔らかいケーブルだけど耳掛け部は約5センチほど透明なチューブで、耳を沿うように作られている。チューブは素材も柔らかく装着しても違和感はない。

プラグは7.8mmのカバー付き2Pin。カバーがついていると折れにくいので安心感がある。

イヤーピースはNiceHCK標準付属のもの。私は買った時のものをそのまま使用しているけど、透明イヤピならイヤホンのデザインにマッチして良いかも。ちなみにこのイヤピースは約1,100円で販売している。ブラックとカラーでノズルのサイズが違う。

この価格なのにケースも付属している。もちろん高級なケースではないが付属しているだけ十分。しかしこのケースはAliExpressのNIceHCKオフィシャルストアで約1,200円で販売中。どれだけこのイヤホンがお買い得かがわかる。

DB2の装着感

イヤホンの形状が耳の中に沿った作りで、長時間耳に入れていても痛くなることはなかった。耳掛け部もケーブルも柔らかいので邪魔になることもなく使える。ケーブルを合わせても22.5gと非常に軽い。

寝ホン(寝ながらイヤホンを聴く)に使ってそのまま朝を迎えても大丈夫なほどに装着感は良かった。

DB2の音質について

このイヤホンもエージング無しで視聴し始めた。一聴した感想は、同社のNX7MK4に似ている印象だった。NX7MK4はいわゆる「ドンシャリ系」と言われる、低域と高域を持ち上げて元気よく聞かせる音作り。

数年前まではハーマンカーブの様な、聴き疲れのしない耳障りの良いイヤホンが多かったが、流行りが変わってきたのかもしれない。Youtubeやゲームも含めて20時間以上は鳴らしたけど、エージングの効果は薄いと感じる。

今回の音質比較は結束バンドとMrs Green Appleで行う。結束バンドは4人編成でギター・ベース・ドラム以外の楽器が使っていないので、比較しやすい事と女性ボーカルのクリアさが比べやすい。Mrs Green Appleは男性ボーカルの伸びが比較しやすいと感じたので選択した。

ちなみに以前レビューしたTinHifi C3やquiet Seaは聴きやすい音楽を奏でるので、傾向的に対極にあるイヤホンだと思う。

音場は広くはないが音が被ることはなかった。精細感は3,000円代のイヤホンとしては十分出ているけど高解像度を求めるならNX7MK4やさらに高額のイヤホンが必要になるだろう。音色は寒色とも暖色とも言えない中庸な音作り。

アンプによって音の傾向が変わるのでESS系のアンプだと狭さを感じるけど、寒色系のソリッドな音が楽しめる。K5ProESSではESSのDACらしく空間は狭いけど、ギターの響きやハイハットの振動がしっかり聞こえてきて心地よかった。バスドラムも締まりが出てくる。その他のDACを使ってもDACの性能がそのまま活きるのでアンプによって音の変化が楽しめた。

デジタル感のある音も得意でYOASOBIのアイドルは電子楽器の音も綺麗に聞こえるし、バンドサウンドのギターも綺麗に聴こえてきた。アンプの音質比較はこの後に記載していく。

このイヤホンだけ聴いていると、欠点ないな‥なんて思ってしまうけどこの後からこのイヤホンの欠点を挙げていく。

DB2の欠点

ここはあえて価格を考慮せずに評価していく。正直に言うと価格を考えたら欠点は無い。音場はちょっと狭めな印象で特にESSのアンプを使うと音場が狭く感じる。Ifi audio ZenDACやIbasso DX300では狭さは感じないのでDACの音がそのまま出ている様に感じる。

全体的に迫力重視な印象で音のクリアさを感じる音は苦手。YOASOBIやずっと真夜中でいいのにの透明感のある声を活かすならもっと良いイヤホンが必要だろう。またギターの乾いた音やベースの艶の表現も苦手で、音楽ではなく音を聴きたいと言う方も上位モデルを選んだ方が良い。

音質比較でも書くけど、リケーブルすると音質が1段も 2段も良くなる。メリットでもあるけど、少し高くして良いケーブルつけて欲しい。

艶・濃さ・余韻を求めるなら10,000円以上のイヤホンを選ぼう。

イヤホン音質比較

今回選んだ曲はMrs Green Appleの「ケセラセラ」。ボーカルの大森元貴さんの高い声がどこまで表現できるのか。楽器隊の分離間や音場を比較していこう。

同価格帯のイヤホンはほとんど持ってなくてNiceHCKEB2S Proのみだったので、追加で手持ちのTinhifi C3と上位モデルのNX7MK4で音質比較をしていく。

  • NiceHCK EB2S Pro(約3,000円)
  • Tinhifi C3(約6,000円)
  • NiceHCK NX7MK4(約13,000円)

DACは、私が持っているDACで一番ナチュラルに鳴ってくれるIfiaudio ZENDAC V2で行っていく。

VS EB2S Pro

イントラコンカ型のイヤホンは大きいサイズのドライバーと、イヤピースを必要としないので音質と装着の簡単さが両立できるイヤホン。欠点は音漏れが大きいことと、漏れるために低域が足りなく感じることがある。EB2SProは更に側面にベント穴があって音抜けをよくしているイヤホンだ。

欠点ではただでさえ漏れやすいイントラコンカでイヤホンの外側のベント穴まであるので音は駄々洩れになる。リビングで聴いていたら、一緒に家族が歌えるほど漏れる。

EB2SProは音の太さもなく解像感も低いので”音”で比較すると全く勝てないイヤホンだ。ベースもほぼ聴こえずバスドラムも鳴っているが強さはない。高域のハイハットはしゃんしゃん鳴っていて奇麗ではない。

DB2は迫力感のある低域が感じられてベースもバスドラムも解像感高く聞こえる。ボーカル近くすぐ側で歌っている様に聞こえる。

EB2SProの欠点ばかり書いているが、空間の広さと耳に負担のない装着感は断トツで良く、イントラコンカじゃなきゃ味わえない音がある(と感じている)イントラコンカ型はMoonDropのLiebesleidも持っているけど、この形だからこそ出てくる音があるのだ。他のイヤホンと差別化ができるので持っていて良い。

VS Tihifi C3

C3はダイナミックドライバー1つのモデルで、私が寝ホン用に使っているモデル。全体的な音場はC3が広い。音の柔らかさが良く、音に尖りがないので非常に聴きやすいイヤホン。音の傾向は全体的にかまぼこ型なのでDB2に比べると正反対の音作り。C3は音が柔らかくハーマンカーブの音作りなので聴いていて安心感がある。
DB2に比べて全ての楽器と大森元貴さんのボーカルが2歩くらい遠くで歌っている。ハイハットの響きはさらに遠く、響きがギリギリ聴こえる鳴り方。ベースとバスドラムも少し遠くに感じるのでDB2を聴いた後だと物足りない感じにもなる。
ただ中域の鳴り方は繊細に表現してくれるので、ボーカル中心に聴くならC3が優位かな。暖色系で空間の広さと柔らかな音が好みならC3。楽しくノリの良い音楽を求めるならDB2が良い。

ダイナミックドライバーで聴き疲れしないイヤホンTINHiFi C3レビュー

VS NX7 MK4

NX7MK4はNiceHCKの人気シリーズNX7の4代目。毎回改良されてきてNX7の集大成と言えるイヤホン。ドライバーが7つも入っていてダイナミック・BA・ピエゾドライバーと3種類のドライバーを駆使して低域から高域まで音作りをしている。これで1万円台中盤の価格なだけにコスパ高いイヤホンだ。

両モデルとも空間表現は狭いけど、低域も高域も強めに作ってる元気になるイヤホン。解像感・音の密度・楽器の分離感どれをとってもNX7MK4が上を行ってる。多ドライバーを駆使しつつケーブルも1ランク上のモデルなので、全てにおいてNX7 MK4が勝っている。

お金に余裕があるなら絶対NX7 MK4だけど、約3,500円で購入できるDB2も十分コスパ高い。音作りはDB2の数段上のモデルがNX7 MK4だと思った方が良い。

スピード感と元気な音を奏でるイヤホンNiceHCK NX7MK4レビュー

音漏れの具合

シェルの作りが全く同じNX7MK4と比較。NX7MK4でも若干音漏れするけどDB2は更に漏れる。

NX7MK4はダイナミックドライバーにシールで蓋をしてあるけど、DB2はシールは無く露出している。若干の音漏れがあるので満員電車はまだいいけど、図書館など静かなところでは使わない方が良い。

リケーブルについて

私はリケーブル前提でレビューはしないのだけれど、同じデザインのNX7MK4のケーブルを付け替えて音質変化を確認してみた。それぞれ付属しているケーブルは

  • DB2 無酸素銅OFCケーブル
  • NX7MK4 銀メッキ高純度銅+単結晶堂ミックス

おそらくNX7MK4のケーブルだけでDB2が買えるくらいの物だろうけど、単品販売はしてないようで近いものは「Snow Catケーブル」だろう。DB2付属のケーブルと見た目を比較しても太さも素材もコネクターの作りも全てが違うのがわかる。

こちらも音質比較は

  • Mrs Green Apple ケセラセラ
  • 結束バンドの 星座になれたら

この2曲で行う。

このケーブルに切り替えると、全く違うイヤホンで聴いているみたいに、全体の音の密度が1段良くなった。ケセラセラの冒頭の大森元貴さんの声とピアノの音が濃さと響きが良くなった。楽器ごとの立体感も出るので広くはないけどそれぞれの楽器が主張してくる。ハイハットの締まりと響きが出て綺麗に響く様になる。

結束バンドの星座になれたらでは冒頭のギターとベースが太く艶が出てくる。ボーカルが一番近くなり、ベースとギターが一歩後ろで引いている広さ。横には広くないけど奥行き感が出てきた。こちらもハイハットの締りが良くなりバンド音楽の楽しさが数段上がった印象だ。

予想以上にリケーブルの効果は大きく、リケーブルも考えていいと思う。出来ればあと1,000円でも高くして良いケーブルをつけて欲しかった。

DAC音質比較

ここからはDACを変更して音質比較をしていく。曲を限定して結束バンドの「星座になれたら」4人編成のバンドでボーカル・ギター2本・ベース・ドラムと楽器それぞれの音が聴き分けしやすい。実際にボーカルとそれぞれの楽器が左右と両方のイヤホンから聞こえてくるので各楽器を聞き分けしやすい曲だったので選曲した。

  • 後藤ひとり(ギター)右イヤホン
  • 喜多郁代(ボーカル兼ギター)ボーカルは両方、ギターは左
  • 伊地知虹夏(ドラム)両方
  • 山田リョウ(ベース)両方

比較するDACは3種類。それぞれ特徴があって使い分けができるDAC達。同じ曲を聴いても聞こえ方も響き方も違う。良い悪いではなく、それぞれのDACの特徴を楽しんで欲しい。

  • Ifi audio ZENDACV2
  • Ibasso PAW S1
  • Lotoo RU6

Ifi audio ZENDAC V2

私が一番愛用しているDAC。PCだけじゃなくPS5やswitchでもも使えて、色付けが少なくどの楽器もナチュラルに鳴らしてくれる。下記の2機種に比べて中低域の強さがないので左右のギターが一のバランスが良い。ベースとバスドラムも程よくなっているので、バンド演奏全てを感じようとするのならZENDACが最適だろう。よく言えば一番ナチュラル。悪く言うと特徴がない。

Ibasso PAW S1

PAW S1もPS5やswitchにも使える万能DAC。解像感は3機種中一番高い。ベースが一歩近くなりボーカルの喜多郁代が引いているような印象になる。左右の広がりが少し出て、後藤ひとりと喜多郁代のギターが左右に分かれて引いている感じになる。解像感と横への広さはPAW S1が良い。

Lotoo RU6

PAW S1ほどの左右の広がりはない。ベースが左右のイヤホンから鳴っていてボーカルの喜多郁代がベースを弾いているようだ。楽器の艶や濃さは3機種中一番リアルさを感じる。ハイハットの叩く音と響く音も3機種中1番きれいで、どの楽器も立体感と濃さが出るのでバンドの楽器を聴きたい方はRU6が一番合っている。

ゲームとの相性

FF7RとダークソウルⅢをプレイした。ゲームとの相性は良く、ゲーム内の声は女性男性ともに綺麗に聴こえてくる。左右の分離感も良いので敵がどちらから来ているのかが音で判別し易かった。装着感も良いので長時間のゲームプレイにも耐えられる。

動画との相性

解像感が高すぎないので音質の悪いYouTubeの動画でも聴き安く、声だけの動画も自然に聞こえる。YouTubeとの相性は良い。映画は空間表現が必要になるのでDB2は相性は良くない。ただ会話シーンの聞きやすさや、戦闘シーンの迫力は感じられるのでスターウォーズなど空間表現のある映画は向かないけど、ジョンウィックやイコライザーの様な銃撃戦は相性良かった。

まとめ

今回紹介したNiceHCK  DB2は提供いただいたイヤホンだ。3,500円のイヤホンだから、まぁまぁの音質で価格よりはちょっと良い程度かなと期待しないで視聴したけど、良い意味で裏切られた。

低域と高域が強めだけど全体的に良くまとまったキレのある音楽を奏でてくれる。

初めて中華イヤホンを買うけどどれがいいの?と言う方にはDB2はおすすめのイヤホンだろう。またハーマンカーブ系の優しい音のイヤホンしか持っていない方にも傾向の違う違うイヤホンとしてお勧めできる。デザインも良く、10,000円以上するNX7MK4と同じ作りで高級感もある。付属品もおまけ程度ではなかった。

リケーブルできる作りから将来へのアップデートもできるので、付属ケーブルの音に飽きたらリケーブルするのもありだ。数万円のイヤホンを持っている方には不要のものかもしれないけど、沢山のイヤホンを使い分ける中に1つあっても良いと思う。

ではまた!

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