今回はスマホや PCで使える小型USBDAC Audirect Beam 3Sを紹介します。
小型ながら高出力でバランス接続専用のUSBDAC兼ヘッドホンアンプです。4.4mmジャックは日本デックスのペンタコン端子を採用しながら価格が約1万円と価格破壊か?と言えるUSBDACです。
上位モデルのBeam 3Proも発売になっていますが、今回はスタンダードモデルの3Sを使ってみました。
Audirect Beam 3S
Beam 3Sの特徴
- 4.4mmバランス接続専用
- DAC部にESS社ES9281ACを採用
- 日本デックスPentaconnジャック
- デュアルオペアンプ採用
- 暖色系の聴きやすい音
- 低音から中音の音が太い
- 締まって押し出しの強い低音
- バランス接続による分離感
- 音場が狭い
- ゲーム機対応と記載があるが未対応
- 高域は中低域に隠れがち
- ボリュームボタンがない
Audirect Beam 3Sレビュー
- DAC:ES9281AC
- サンプリング周波数
DSD:512
PCM:32Bit 768kHz
MQA:対応 - 4.4mm出力
High Gain:4.1Vrms
Mid Gain:2.48Vrms
Low Gain:615Vrms - 周波数応答:0.032dB@20HZ-40KHZ
- USB:Type-C
- サイズ:53x15x11mm
- 重さ:25g
- Gain調整ボタン
- USB-C入力
- 4.4mmバランスジャック
- Windows11
- Windows10
- M1 Mac
- Google PIXEL5a5G
- HUAWEI Mate20Pro
- IpadPro12.9
どの機器も挿すだけで認識OK。
Beam 3Sの付属品
付属品はUSB-A変換アダプターと各国向けマニュアル。マニュアルと言ってもゲイン調整だけ記載があり他の設定は記載無し。ゲームモードの変更方法は?
Hifigoで取り寄せたのですが、マニュアルに日本語の使用方法が載っているのは意外でした。
Beam 3Sのデザイン
本体は非常に小さいですが、大きさの割に重さを感じます。質感はアルミっぽい感触で高級感があります。
上部はBeam 3Sのデザインのみでシンプル。
右側にゲイン調整ボタンとゲインランプ。
下部はUSB-Cジャック
上部は4.4mmバランスジャックと全体的にシンプル設計
接続と操作方法
付属のケーブルでPCやスマホと繋げるだけでドライバーは必要ありません。
ゲイン調整ボタンが付いていますが、イヤホンでは爆音再生するのでボリュームを0にしてから操作しています。
Beam 3Sはイヤホンが壊れるほど出力が高いのでボリュームは最低にしてから、少しずつ上げた方が良いです。
ゲイン小と中は音量の違いはすくないですが、高に変えると一気にボリュームが上がります。
PS5とNintendo Switchで使えない
Hifigoの紹介ページにはSwitch対応のような記載がありますが全く認識しません。PS5も同様で認識しませんでした。
使える記載がない物が動かないなら良いのですが、使えるような記載があるのに使えないのは最悪です。
Beam 3S音質レビュー
エージングも兼ねて箱出し状態からPCに繋げてゲームやNetflixで使いました。
第一印象は「低音の太さと強さを1番に感じるDAC」です。Beam3Sの特徴がしっかり出るDACでどのイヤホンでも低域の強さが出てきました。
Amazon musicを聴いていても低音の太さが印象的で、ボーカルと同じ位置にベースがあり「ボーカルがベースを弾いている」様に感じます。
音場は狭く全ての楽器が近くにあります。高域が苦手で中低域に埋もれてしまいます。
第一印象は暖色系で迫力の音楽を楽しめますが、繊細さには欠けて高音のキラキラ感が無いDACでした。
使用するイヤホンとヘッドホン
- Fostex T60RP
- Moondrop kxxs
- BQEYZ Summer
使用する機器
- PIXEL 5a5G
- 自作PC
- IpadPro
Fostex T60RP
純正のバンランスケーブルで試聴。
鳴らしにくいと言われているT60RPですがローゲインでもボリューム80%でしっかり鳴らせました。
MrChildrenでは音場は少し狭くなりますがボーカルとベースが1番前、ギターとピアノが2番目ドラムのハイハットが1番後ろに聴こえます。
T60RPで苦手な低域がしっかり出ていて芯のあるベースが楽しめます。
中高域が得意なヘッドホンですが高域が弱くなりハイハットの響きは鈍くなりますが、ギターの響きは綺麗に聴こえました。
PCゲームのエルデンリングではBeam3Sとの相性が良く、ゲーム中の音楽や剣の打撃音などの効果音の迫力があります。ゲームの相性は良い。
映画は音場が狭いので空間は楽しめないが、暖色の音が聴きやすく映画も良いです。
Moondrop kxxs
付属のケーブルではなく社外品のバランスケーブルで試聴。
MoonDrop KXXSはダイナミックドライバー 1つのイヤホンでダイナミックらしい力強い音が楽しめるイヤホン。
KXXSの相性が良くないです。ダイナミックの迫力はありますがキラキラ感は無くなっています。音場が狭くなり低域が強調されすぎてボーカルの透明感が失われているように感じます。
BQEYZ Summer
良くも悪くもBeam3Sの特徴が出ています。Summerでは聴けないレベルの低域が出ていますが、高域の綺麗さは無くなります。
1音1音が芯のある音で聴いていて悪くは無い音です。女性ボーカルも他のアンプに比べて透明感がなくなります。Summerの音に飽きた時にアンプをBeam3Sに変えて音色の違いを楽しむのも良いです。
Beam 3SとRU6の音質比較
お気に入りのDAC Cayin RU6と音質比較をします。RU6は価格は倍ですがDACとアンプが既製品を使わずにオリジナルで作っているCayinの技術の詰まった小型DACです。
4.4mmバランスジャックで音質を比較しました。
本体の大きさはRU6が数倍の大きさですが液晶表示とボリュームボタンがあるので操作性はRU6が良いです。
音質はBeam 3Sは音場が狭くて全ての音が近くに感じます。対してRU6はそれぞれの楽器とボーカルの距離が離れていて音場の広さを感じます。
低域はRU6と同じくらい出ていて迫力を感じます。
Beam3Sはボーカルは程よく近くに聴こえているのですが、他の楽器も近いので「ボーカルを中心に空間の広さを楽しみたい」ならRU6が良いです。ただ楽器との調和は良いのでバンドサウンドとして全てを聴くなら良いですね。
Beam3Sは良い意味でESSらしくない暖色系の音質で、ボーカルを含めたバンド全体を体感したい時におすすめのDACです。
Audirect Beam 3Sレビュー太い低音を楽しめるバランス専用USBDACのまとめ
今回は約1万円と言う価格からは想像できないほどの音量が取れる小型USBDAC Audirect Beam3Sの紹介でした。
操作性はと携帯性は25グラムと小さいくて良いです。ただボリュームボタンが付いていないのが難点です。Androidはボリュームを1つ上げただけで爆音になるので調整が難しいです。PC・MAC・IOSは細かなボリューム調整ができるので操作性は問題ないです。
音場の狭さと高域の聴きにくさが難点ですが、音質面は暖色系で聴きやすく低域の音に芯があるので、低域中心にノリの良い音楽を聴くのに適しています。
ボーカルも綺麗に聴こえますが他の楽器も近くに感じるのでボーカルだけ聴きくには向いていないです。
PCゲームや映画には迫力のある音は向いていてアクションやシューティングゲームをしていて迫力を感じられます。
こんな方におすすめ
- 低域強めの音楽が好き
- 映画やゲームでも使用したい
- PC・MAC・iPhoneを使っている
ではまた!