日々、色々な音楽を沢山のヘッドフォンで聴いてきましたが、アーティストの聞いている音ってどんな音なんだ?と疑問が沸くことがあります。
今回紹介するヘッドホンはスタジオモニターヘッドホンと言う業務用のヘッドホンなのですが、全ての音が近くて小さな音もしっかり聴こえる作りになっています。
リスニング向けの柔らかい音ではなく解像感が高く悪い音は悪く聞こえるので使う人を選ぶヘッドホンでした。
- 音楽の制作過程の音を聞いてみたい
- 「音楽」よりも「音」を聴きたい
- 色付けのない音楽を聴きたい
Sony MDR-M1ST
特徴
- ゴリゴリのモニターサウンド
- 全ての部品が購入できる
- メーカー保証がない
- 全ての音の近さ
- 解像感の高さ
- マイクの違いも聞き分けられる
- バランス接続対応
- 装着感が悪く耳が痛くなる
- カリカリのサウンドで長時間使用は疲れる
Sony MDR-M1STのスペック
- 形式:ダイナミック型
- ドライバユニット:40mmドーム型
- 最大入力:1500mw
- インピーダンス:24Ω(1kHzにて)
- 音圧感度:103dB/mW
- 質量:約215g
- 2.5mケーブル
- 3.5mm 4極 ねじ込み式
- 6.3mm ステレオプラグ
MDR-M1STの外観レビュー
MDR-M1STは業務向けのヘッドホンでソニーミュージック扱いの商品です。
一般向けのヘッドホンなので外箱はただのダンボールでした。
簡素な割にはちゃんとブリスターに掛ける穴が空いているんですよね。
中のヘッドホンも薄い発泡スチロールで包まれているだけでマニュアルも付いていません。
付属ケーブルはデスクトップ環境向け
ケーブルは2.5mとデスクトップ向けのケーブルが1本のみ付属ですが、脱着式のケーブルなのでDAPで使う場合は別途購入が必要です。
ヘッドホン側の端子がねじ込み式ですが、ネジを回さなくても脱着できるのでリケーブルもしやすい構造でした。
ケーブルの素材はゴムとプラスチックの間の様な質感でツルツルして引っ掛かることはない。
ケーブルの癖は少しつくようです。
MDR-CD900STと違い、ケーブルは脱着式で3.5mmのケーブルに対応しバランス接続も出来きてます。
ネジで装着すればジャックが緩くなっても取り付けが出来るので安心感があると思います。
装着感の悪いイヤーパッド
外観はSONYのMDR-A1の酷似していますがヘッドパッドは浅めの作りでした。
ヘッドパッドはこの角度から見ると十分な深さがあるのでは?と思いますが耳に当たります。長時間の装着はきつい
パッド狭いので耳に乗せるようになります。
ドライバー部は耳に対して平行に設置されています。耳に近く配置して細かい音も拾える様な構造です。
平行に配置して「前方定位」ではなく「脳内定位」の音楽を聴ける様にしています。
リケーブルは汎用性あり
ヘッドフォン入力部。ねじ切りがありますが3.5mmの端子であればそのまま入りました。バランス対応ですが付属のケーブルはアンバランス接続になります。
MDR-1Aとケーブルの形状は一緒なので3.5mm3極かバランス接続用の4極であれば使えました。
SONY純正のキンバーケーブルは装着できました。
ヘッドパッド部は装着感が良い
ヘッドパッドは柔らかくモチモチしています。素材は合皮のようですが痛くなる事はありません。
スライダー部で良い装着位置を覚えておけます。ここはMDR-CD900Tと一緒ですね。
側圧は軽めですがM1ST自体が軽いのでずれる事は無いです。
音質レビュー
使用時の環境
- Sony NW-WM1A
- Lotoo Paw S1
- RME ADI-2DAC FS
この3種類をメインに使っています。リスニング用のNW-WM1A、作業中用のPaw S1 テレビ用のADI-2DAC FSが主な使用用途ですね。
モニターヘッドホンはプロの現場で使うヘッドホンなのでエージング前提では作っていないので、エージングはせずに開封直後から使用しました。
低域や広域は苦手
一聴した時は全ての音が近くに聞こえてうるさい感じがしますが、1音1音がしっかり分離して聞こえます。
ただ低域のベースや広域のハイハットは苦手で掠れて聴こえます。
テレビのスピーカーやリスニング用のヘッドホンでは聴こえない、服の擦れる音も聞こえてきて普段と違う体験が出来ました。
サカナクションの「バッハの旋律を夜に聴いたせいです」を聴いていても音の太さはなく軽い音に聴こえます。
Billie Eilishのbad guyのオープニングの低音も響いていません。
ボーカルの息や呼吸を感じられる
低域や広域と違い中域は得意の様です。どんな音楽を聴いていてもボーカルの息づかいや呼吸が聴こえてきて、生の声の感覚が味わえます。
ボーカルは男性も女性も得意なようで声を近くに感じたいならMDR-M1STはお勧めできます。
DAP再生で本領発揮できるか?
NW-WM1Aは相性が悪かった
SONY同士なら相性が良いのでは?と思いましたが全く合わなかったです。
リスニング寄りのNW-WM1AとモニターサウンドのMDR-M1STだと音楽全体が籠って聴こえました。
お互いの良い点を打ち消しあっているようで、ボーカルは遠くなり低域と高域がさらに霞んだように聴こえます。
Lotoo Paw S1は相性が良い
Lotoo Paw S1は寒色系の音を奏でてくれますが、モニターサウンドのMDR-M1STの本領を発揮してボーカルの近さや生の演奏感を感じられます。
ゲームに合うかを検証
ゲームプレイはほぼ毎日ゲームをプレイするので私はゲームに合うかは重要な要素です。
オクトパストラベラーをMDRーM1STでプレイ
オクトパストラベラーはオーケストラのような音楽が流れるJRPGです。壮大なストーリーに臨場感のある音楽がゲームに引き込む要素となって楽しさを盛り上げてくれます。
PC版のオクトパストレベラーをMDR-M1STでプレイしましたが全ての音が近いためか、戦闘シーンのエフェクト音が煩すぎてゲームに集中できませんでした。
TPSゲームDivision2をMDRーM1STでプレイ
Division2では遠くにいる小さい足音や近くの大きい音の区別がつきました。MDR-M1STは小さい音も拾ってくれるのでFPSやTPSも合いますね。
サラウンド感は出ないですが、2chステレオで聴いていても前後左右も分かり易かったです。
ただ装着感は悪いので長時間のプレイは合わないかもしれません。
テレビ視聴では普段と違う体験ができる
ニュースを見ているとスタジオのマイクと中継のマイクの音質の違いが分かるので聴いていて面白いです。ドラマを観ているとマイクの違いが気になって集中出来ないです。
音楽番組を見ていると司会者のマイクと歌っているアーティストのマイクの違いまで分かって、音楽に集中はできませんが聴いていて面白いですね。
【MDR-M1STレビュー】音楽以外にどんな使い方がおすすめ?ゲーム・テレビ・映画で使用してみた。のまとめ
Sony MDR-M1ST
特徴
- ゴリゴリのモニターサウンド
- 全ての部品が購入できる
- メーカー保証がない
- 全ての音の近さ
- 解像感の高さ
- マイクの違いも聞き分けられる
- バランス接続対応
- 装着感が悪く耳が痛くなる
- カリカリのサウンドで長時間使用は疲れる
私は1台目のヘッドフォンには100%はおすすめ出来ないと感じました。
音楽に向き合いアーティストの想いを一つ一つ噛みしめるには良いヘッドフォンなので、本当に好きなアーティストが制作した音を余す所無く聴きたい!と言う方にはお勧めできます。
ただ、ながら聴きをしたり長時間聴いていると聴き疲れしますし、耳が痛くなるので万人受けはしたいと感じました。
2台目3台目としてリスニング向けの開放型の次に購入するなら、それぞれのヘッドフォンの違いが体感出来ておすすめ出来ます。
アーティストの聴いている音と同じ音を聴きたい方は検討してみては?
ではまた!
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