PS5のゲームを高音質でプレイしたい!ならUSB DACやオーディオインターフェースは必須ですが、今回はオーディオ用USBDACの紹介です。
IfiaudioのZENDACはエントリーモデルながら音質の良さとバランス接続対応とコスパの高いUSBDAC兼ヘッドホンアンプ。
最新バージョンではPS5に対応すると噂があったので購入して試してみました!
Ifi audioはオーディオ機器の専業メーカー。今まではゲームに対応することは無かったのですが昨年から対応機器が増えてきました。
今回はIfi audioのエントリー機ZENDAC V2の音質とPS5に繋げる方法、PCとPS5の音質比較をゲーム中心にレビューしていきます。

Ifi Audio ZENDAC V2

ZENDAC V2の特徴
- 32ビット/192kHzまでのPCMとDXD、DSD256、MQA対応
- フルディスクリートによるバランス接続
- フロントとリアに4.4mmバランス接続対応
- 6.3mmヘッドホンジャック
- PowerMatchによるゲイン調整
- TrueBassによる低域ブースト
- 色付けの少ない音
- 安いのに高音質
- 4.4mmバランス接続
- 鳴らしにくいヘッドホンもOK
- 3.5mm変換アダプタ付属
- 特徴のない音
- 背面の4.4mmバランス出力
- PC接続の方が高音質
もくじ
Ifi Audio ZENDAC V2 レビュー
- DAC:Burr Brown
- サンプリング周波数最大
DSD 12.4MHz
DXD 384KHz
PCM 192KHz - USB:Type-B(3.0)
- サイズ
長さ:158mm
幅 :100mm
高さ:35mm - 重さ:491g
- 6.3mm(アンバランス)1V
最大3.3V 12Ω ‒ 300Ω - 4.4mm Pentaconn(バランス):2V
最大6.2V 12Ω ‒ 600Ω - アンバランス > 280mW @ 32R, > 36mW @ 300R
- バランス > 380mW @ 50R, > 70mW @ 600R

- USB- A to Bケーブル
- RCAケーブル
- 6.3mm to 3.5mm 変換アダプター
- マニュアル

- 入力
USB-B(3.0) - 出力
6.3mmジャック
4.4mmバランスジャックx2
RCAジャック

- PS5
- Nintendo Switch
- Windows11
- M1 Mac
- IpadPro12.9
- Google PIXEL5a5G
- HUAWEI Mate20Pro
どの機器も挿すだけで認識しました。
外観と付属品
横158mm奥行き100mm高さ35mmと片手で持てる大きさですが重さは491gの重量。一見して小さいですが、持った時の重量感は満足感がありました。
ボタンの配置も考えられていて、良く使うボタンとジャックは前面に配置して、抜き差ししないケーブル類は背面にあります。
この価格帯で4.4mmバランスジャックがあるのは本当に良い。もちろんPS5のゲームもバランス接続でプレイ可能。

本体前面
ボリュームを中心にボタンが左側、イヤホンが右側に別れていてデザインだけではなく細かい配置にこだわっているのがわかります。
ボリュームも未だにアナログボリュームを採用していて使い勝手の良いインターフェースです。

- Power Matchボタン
- TrueBassボタン
- ボリューム
- 6.3mmジャック
- 4.4mmジャック
本体背面
入力はUSBのみで赤白のRCAと4.4mmバランス出力があります。SPDIFがないのは残念。
背面の4.4mmバランス出力は、別売のヘッドホンアンプZENCANを接続するために付いています。わざわざ4.4mmで接続するならRCA(赤白)で接続すれば良いのでは?と思いますが4.4mm出力は4.2VでRCAは2.1Vなので外部機器に繋ぐときは4.4mmで繋ぎましょう。

- 4.4mmバランス出力
- variable切り替えスイッチ
- RCA出力
- USB3.0入力
- ACアダプター
付属品

- USBケーブル
- RCAケーブル
- 6.3 to3.5変換アダプター
- マニュアル類
ZENDAC無印とV2の違い
- MQAにフルデコードに対応
- LEDランプの光り方の変更
ゲームをするには全く関係ないですが、MQAの音源を再生する方には嬉しいアップデートです。
ZENDAC V2のファームウェア確認
Windowsにドライバーをインストールしてバージョンの確認をします。
まずはドライバーインストールを実施。ZENDACはドライバーを入れなくても動きますが、ドライバーを入れるとバージョンの確認が行えます。
私の購入したZenDacはファームウェアが「Ver7.30」でPS5に刺すだけで認識できました。

PS5で使う場合はVer7.0未満は使えない可能性があり、ファームウェアのアップデートが必要になります。
PCは刺すだけで認識されますがIfiaudioのサイトから専用ドライバーがダウンロードできます。
日本のIfiAudioのHPにはPS5対応のアップデートファイルはありません。海外のIfiからダウンロードするので保証が受けられなくなる可能性があります。
心配な方はIfiaudio Japanで更新されるのを待った方が良いかもしれません。
またファームウェアアップデートは失敗する可能性があり、最悪壊れる可能性があるので慎重に行ってください。
PS5の接続
付属のUSBケーブルでPS5に接続すると自動でZENDACに切り替わりました。


PS5は「UAC1.0」と言う古い規格で接続されるのでCDと同じ音質44.1khz16Bitです。ハイレゾ音源の再生はできません。
「5.1ch」などのバーチャルサラウンドは対応しませんが、PS5の「Tempest3D」は対応になります。
Nintendo Switchでも認識
switchも同じく認識します。特に設定項目はないので簡単。

ZENDACの機能
Power Match

ノイズを少なくする機能。
イヤホンはヘッドホンに比べて感度が高く「サー」「ジジジジ…」と聞こえるノイズが入りやすいので、オンにするとノイズが少なくなります。スマホでも鳴らせるようなイヤホンを使うなら、Power Matchは切った方がいいです。
ゲーム内で激しく音が鳴っている時は気になりませんが、会話の合間にノイズが気になる様ならオフにした方が良いです。
TrueBass

低音を強調する機能。無理に低音を持ち上げることはないので、ボーカルのみの時は音の変化がありませんが、ベースやバスドラムが鳴っている時は一歩前に出てくる感じです。ギターの音は低域が持ち上がり音に迫力が増しました。
ただ元々低域が強い音楽は低域のボワつきを感じます。20時間くらいのエージングを行いましたが、締まった低域は苦手です。
ゲーム内の音楽は違いは少なくTrueBassあまり使わない機能です。
TrueBassをオフにする時に「プチッ」とノイズが入りますね。
ZENDACの音質確認
ここからはZENDACの音質比較と相性の確認をしていきます。
ヘッドホンとイヤホン
- Fostext60RP
- NDR-M1ST
- Final D8000
- MoonDrop KXXS

音源
- デスストランディングPS5版とPC版
- デモンズソウルPS5版
- dying light 2 PC版
- Amazon music PC版
エージング前の音質
届いた直後PCに繋いでエージングも兼ねてゲームプレイとAmazon musicをFostex T60RPで聴きました。
初めに聴いた印象は「特徴のない音」です。中高域は出過ぎず引っ込みすぎず、ボーカルの距離も程よく聴こえます。低域が若干ボワつくかな?。どこかを強調するのではなく全ての音を均一に出しています。RME ADI-2DAC FSに近い印象。
「艶感」よりも「繊細」を感じるので傾向は寒色系のESSに近い音です。
ZENDACの音質確認
Fostex T60RP

純正の3.5mmアンバランスケーブルで接続。
無機質感が強くT60RPの空間の広さや高音域の繊細さが活かされてないように感じます。T60RPの低域の弱点がそのまま出ていて低域のボワつきが強調されています。高域の繊細さも少ない。
音質が悪いわけではなく、作業をしながら聞き流すには良いですが、音楽に向き合うには不向きに感じます。
ゲームプレイ時はその音が非常によく、耳障りな音も程よく中和してくれるのでゲームの相性が良い。
MoonDop KXXS

純正ケーブルがないのでAliExpressで購入した4.4mmバランスケーブルで接続。
Power Matchを切ると音量が大きすぎてボリュームを9時まで上げられません。オンで9時から10時でちょうど良い。
ヘッドホンからイヤホンに変えると狭さは感じますが、楽器の1音1音を近くに感じられます。ハイハットの響きとベースの太さはT60RPよりも相性が良い。
4.4mmバランス接続の方が音質的に有利なのかもしれませんね。
ゲームをするには音が近く、うるささが強調されるので相性は悪いです。音楽使用は相性がよくZENDACの精細感とKXXSの中広域がマッチして切れの良い音楽を聴かせてくれます。
MDR-M1ST

付属の6.3mmアンバランスケーブルとソニー純正のバランスケーブルMUC-S12SB1で試聴。
付属のケーブルでボリューム10時から11時。キンバーケーブルのバランス接続は9時の位置でちょうど良い音量でした。
こちらもPower Matchはオンで試聴。それでもボリュームを9時まで上げると大きい音です。TrueBassも入れると低域が強すぎて中高音が埋もれるのでオフにて使用。
付属ケーブルではボーカルが一歩引いて聞こえますが、バランスケーブルだとボーカルが非常に近くに聞こえて、細かい息遣いも聴こえてきました。
ボーカルを聴く時はバランスケーブル推奨です。
ケーブルとバランス接続による音質差もありますが、バランス接続の方がアンプの性能を生かせるのかもしれない。
シューティングやアクションゲームはうるさすぎて合わないですが声を聴くシュミレーションゲームなら相性良いです。
Final D8000

finalの高級機D8000は3.5mmアンバランス接続でゲームをプレイ。ボリュームはPower Matchオフで10時から12時くらいでちょうど良い音量。開放型なので圧迫感がなく音質面では快適にプレイできます。
D8000が得意な太く締まった低音やキラキラした高音は聞こえませんが、迫力のある音も開放感があって気持ちよくゲームできます。ゲーム・音楽共に相性良かったです。
ただ重いのでゲーム中に体を動かすとD8000が外れそうになるので注意が必要。
Tempest 3Dの効果あり!
PS5専用のデモンズソウルはTempest3Dの効果が体感できるソフトです。
分かりやすいシーンは初期のドラゴンが炎を吐くまでの動作。左上の後ろからドラゴンが飛んできて正面で炎を吐く所は、遠近感と方向が音を聞くだけで感じ取れます。

Tempest 3Dは効果がすごいですがソフトのスペック表に対応するかの記載がありません。製作者は音楽もこだわって作っているので音響効果の良さはもっとアピールしてほしいですね。
PCとPS5で音質の違いはあるのか?
コジマプロダクションのデスストランディングはPS5版とPC版両方持っているのでゲーム中の音楽で聴き比べをしていきます。
デスストランディングをPS5とPCで比較
デスストランディングのPS5版とPC版を交互にプレイして音質比較しました。PS5接続時は44.1khz(黄色)で認識し、WindowsはZENDACの最高設定の32bit192khz(白色)で認識しています。
ゲーム内の音源は(恐らく)同で音質の違いは無いはずですが全く違う音質でした。
PS5でゲームの音楽を聴いていて違和感はなく良い音に聞こえますが、PC版は音の密度が増してゲーム内の音楽や声の迫力があります。音の立体感が出て(3D効果ではない)キャラが動くときの音や車の音に迫力が出ました。
ZENDACのドライバーにはアップコンバートの機能は無いのでPC版の音質が標準の音質でPS5は44.1khzに制限されて音質の劣化があるのかもしれません。

Ifi Audio ZenDac V2レビュー PS5に繋げる据え置きヘッドホンアンプのまとめ
今回はIfiaudio ZENDACの紹介でした。
PS5に使えるDACをいろいろと紹介してきましたが、Ifiaudioの製品は今後の展開に期待ができますね!
2万円前半で購入できるDACでは欠点の少ないお勧めできる製品です。PS5だけではなくPCやスマホでも使えるので1台持っておいても損はないですよ!
Ifi Audio ZENDAC V2

ZENDAC V2の特徴
- 32ビット/384kHzまでのPCMとDXD、DSD256、MQA対応
- フルディスクリートによるバランス接続
- フロントとリアに4.4mmバランス接続対応
- 6.3mmヘッドホンジャック
- PowerMatchによるゲイン調整
- TrueBassによる低域ブースト
- 色付けの少ない音
- 安いのに高音質
- 4.4mmバランス接続
- 鳴らしにくいヘッドホンもOK
- 3.5mm変換アダプタ付属
- 特徴のない音質
- 背面の4.4mmバランス出力
- PC接続の方が高音質